イタリア豆知識

美しいということ
2021.03.30

イタリア人は皆「自分達は美しい」と信じています。
中には「お前が言うな」という奴も、「だってあたい達キレイなんだもん。」と公言してはばかりません。
彼等は物心ついた頃から家族や親戚、近所のおばちゃんおっちゃん達から毎日毎日カワイイカワイイと言われて育ちます。 この長年に渡る絶え間ない称賛によって、「私は可愛い」という意識がDNAに組み込まれていくのだと、わたくしは分析いたします!

 イタリア滞在中何度となくされた質問に、「ねぇ、日本人はどうしてそんなに醜いの?」と「何で日本人の脚はみんな曲がっているの?」というのがあります。

なんともダイレクトで失礼な質問ではありませんか!世が世なら戦争でっせ、しかしぃ~怒りマーク

ともあれ、ここはひとつ大人になって冷静に観察してみると、う~ん、反撃の糸口がみつけられない。
悔しいけれど、確かに奴らは我々日本人よりもかなり美しい。
私が特に悔しく思うのは「後ろ姿」。男子も女子も膝から下は長くて真っすぐだし、なんといってもお尻の形と位置が日本人のそれとは全く違うのです。正に「小股が切れ上がっている」とはあのお尻をいうのでしょう。
2002年日韓共催ワールドサッカーの期間中、空港のVIPルームの大画面テレビの前を占拠していたおやじ客達の後ろ姿を毎日見ながら、振り向かずともイタリア人と日本人の区別が一目瞭然だったのには、もどかしい悲しみと悔しさを覚えたものでした。

 ところで、美しいと言えば、「色の白いは七難隠す」、色白が美人の絶対条件とされる私達日本人女性にはイタだけない情報をひとつご紹介しておきましょう。
それは、「イタリアでは色白モテない説」。
彼等はとにかく黄金色の肌が大好きで、夏は競うように肌を焼き、冬でもせっせと日焼けサロンに通います。 顔立ちが美しくても色白だと「pallido/pallida(蒼白い・血色が悪い)」といまいちモテないのです。 すなわち、ウエンツ瑛士や小池徹平はイタリアでは残念ながら と思われます(...たぶん)。

 これまたあちらに渡って間もない頃、イタリア人の「レイコ、なんでそんなに色が白いの?」の問いかけに、てっきり褒められたものと気をよくしていたら、「可哀想に。でも大丈夫よ、夏になって太陽を浴びればあなたも小麦色の肌になれるわ。」と励まされてしまったのです。「はぁ~?意味解んな~い!」ですよね。

 ソフィア・ローレン、マリア・グラッツィア・クチノッタ等イタリアを代表する女優の殆どはいわゆる「色黒」、つまりテラコッタ色の肌は美男美女の必須条件なのです。  実際夏のバカンス明けは、道行く見知らぬ人からも「che bella abbronzata! (なんてキレイな日焼け!)」と絶賛される。 それが気持ちいいのと単にモテたかった私、
調子に乗って焼きまくっては母を落胆させ、その割にはたいしてモテもせず、今はシミだらけの顔を見てはため息つくばかりで...後悔先に立たず。

 これからイタリアに長期滞在しようとお考えの皆さま(特に女性)、
帰国した時の事を考えて硬くなに美白ケアを持続させるか、イタリアに骨を埋める覚悟でシミ・皺をもろともせず
小麦色の肌を作るか...バカバカしいようで、その実なかなか重大な決断案件ですわよ。