いきなりですが、ここでは「毛」の話をいたしましょう。
我々日本人、特に女子は「体毛」をいわゆる「ムダ毛」と位置づけ、わき毛、腕毛、スネ毛、ビキニライン、更には顔のうぶ毛に至るまで丁寧に処理しますよね。
さて、イタリア女子はどうでしょう。ちなみに、イタリア語で人や動物の体毛はpelo/peli 毛深いことはpeloso/pelosaといいます。 日本人の何倍も男性の目を意識し、露出度も高い彼等のこと、当然ムダ毛処理にも余念がありません...が、どうも「ムダ毛概念」が我々とは違っているようです。
素足が主流の文化ゆえか、彼女達が最も神経を注ぐのが「スネ毛」。 発売されている脱毛器具やキットは数も種類も多く、日本の比ではありません。南部のおばちゃんはともかく(この人達は髭も生えてたりする)、都会の若い女子のスネはみなツルツル。 以前、私はその手入れを少し怠って出社したことがあります。とはいっても、生え放題という訳ではなく、日本では全然OKな程度でしたが、同僚のPinaがすかさず「レイコ!スネ毛ボーボーじゃない!ドイツ人みたい!恥ずかしい~!」と顔を歪めて指摘してきました。
ところが、そんなノースリーブ姿の彼女のワキはと言えば、そろそろお手入れ時をむかえた芝生のようなのです。 総体的にイタリア人女子は”脇が甘い” 2~3ミリは当たり前、自然に任せ放題という人も珍しくありません。
知り合いの日本人女史、ミラノ在住十数年、中古のバスタブを路面電車で家まで運んで自分で設置してしまう逞しいお方です。そんな彼女でさえ、友人の結婚式で、美しい花嫁の純白のウエディングドレスからはみ出たたわわなワキ毛には言葉を失ったそうです。
分析の結果、スネ以外のパーツのお手入れは結構手抜きが多いようで、それはつまり、イタリア男子は腕毛やビキニライン、そしてわき毛に関しては寛大だと結論に辿り着きました。
どうやらイタリア人にとって、スネ毛を生やして歩くことは、ワキ毛を出すことより恥ずかしいことのようです。
みなさん、イタリアにお越しの際は、ワキよりもスネ毛のお手入れをお忘れなく!